仕上げ磨きはいつまで続ける?小学生の磨き残しとやめどきの目安
仕上げ磨きは、永久歯(大人の歯)の一番奥に12歳臼歯が生えてくる12歳ごろまで続けるのが目安です。小学生のあいだは乳歯と永久歯が入れかわる途中で、本人が磨いたつもりでも生えかけの歯や奥歯に汚れが残りやすいため、毎晩の仕上げ磨きから、本人が磨いたあとの点検へと少しずつ形を変えながら続けていきます。やめる時期は学年で決めずに、磨き残しが少なくなっているかと、歯科の定期検診で見たお口の状態の2つを合わせて判断します。
仕上げ磨きは12歳ごろまで続けます
仕上げ磨きを続ける期間は、親知らずを除いて最後に生える12歳臼歯が出てくるころまでを目安にします。日本小児歯科学会の学会誌に載った調査では、この第二大臼歯(12歳臼歯)は11歳から14歳ごろにかけて生えてくるとされていて、高学年になってもお口の中では生えかわりと成長が続いています。小学生のあいだは乳歯と永久歯が混ざっている時期(混合歯列期)で、生えかけの歯のまわりに汚れが残りやすく、むし歯のリスクが高い状態がしばらく続くので、保護者の方がお口の中を見る時期もそのころまで続けます。
当院でも小学生の年代については「学齢期になっても仕上げみがきは必要です」とお伝えしていて、6歳以降も歯科衛生士のブラッシング指導やフッ素塗布とあわせて、ご家庭での仕上げ磨きを続けていただくようお願いしています。続けるといっても、低学年と高学年で同じ磨き方をする必要はありません。高学年に近づいたら毎晩すべてを磨き直すのはやめて、本人が磨いたあとに保護者が明るい所で点検し、汚れが残っている所だけを磨く形に変えていきます。
小学生の歯に汚れが残りやすい理由
小学生の歯は、本人が磨いたつもりでも奥歯や生えかけの歯に汚れが残りやすく、保護者のサポートがまだ要ります。生えかけの奥歯があることや、生えたばかりの永久歯の質がまだ弱いことなど、小学生のお口には汚れが残りやすい特徴があり、その中身は年齢とともに変わるので、いまのお子さんに当てはまるものを見て、仕上げで手伝う場所を決めていきます。
6歳臼歯は奥にあって磨きにくい
6歳ごろになると、乳歯のさらに奥に第一大臼歯(6歳臼歯)が生えてきます。お口の一番奥に生えるうえに、かむ面を歯ぐきがおおっている期間が長いので、歯ブラシが当たりにくく、むし歯になりやすい歯です。仕上げのときは6歳臼歯だけを一本ずつねらって磨き、毛先が届きにくいときは毛束の小さいタフトブラシも使ってください。
生えたての永久歯は歯の質が弱い
永久歯も生えた直後は歯の質が弱いので、むし歯ができやすい時期にあたります。生えかけで高さがそろっていない歯のまわりや、自然に抜ける前のぐらぐらした乳歯とのすき間には汚れがたまりやすく、本人は痛がって歯ブラシを当てたがらないこともあります。抜けかけの乳歯のまわりは痛みが出やすいので注意して、毛先のやわらかい歯ブラシで丁寧に汚れを落としてあげてください。
手先の細かい動きは発達の途中
小学校の低学年は、歯ブラシを細かく動かせるほど指先がまだ器用に動かないので、力を入れて大きく動かす磨き方になりやすく、前歯の表面はきれいでも、奥歯の裏側や歯と歯の間には汚れが残ります。本人の磨き方を一度横で見て、どこで歯ブラシが大きく動いているかを知っておくと、仕上げで重点的に磨く場所が決めやすくなります。
年齢ごとの仕上げ磨きの目安
仕上げ磨きは、年齢が上がるにつれて「保護者が磨く」から「本人が磨いて保護者が見る」へ変えていきます。下の表は一般的な目安で、生えかわりの進み方や磨く力には個人差があり、表の年齢より早く上手になる子もいれば、高学年になっても奥歯が苦手な子もいます。学年だけで区切らずに、実際の磨き残しの量を見ながら、表の一つ下の段に進むか、いまの段にとどまるかを決めてください。
| 年齢 | 歯の様子 | 仕上げ磨きの関わり方 |
|---|---|---|
| 0〜2歳 | 乳歯が生えはじめる時期 | 保護者が磨くのが中心(2歳ごろからデンタルフロスも) |
| 3〜5歳 | 乳歯がそろっている時期 | 本人が先に磨き、保護者が仕上げ(4〜5歳でひとりで磨く練習をスタート) |
| 6〜8歳 | 6歳臼歯が生え、前歯が生えかわる時期 | 毎日の仕上げ磨き(6歳臼歯のかむ面と前歯の裏側を重点的に) |
| 9〜12歳 | 横の歯が生えかわり、12歳臼歯が生えはじめる時期 | 本人の磨き方を見ながら、点検と部分的な仕上げへ |
| 12歳ごろから | 12歳臼歯が生えてくる時期(11〜14歳ごろ) | 本人に任せ、12歳臼歯が生えきるまでは奥歯の点検を続けて、歯科の定期検診で確認 |
やめどきは磨く力と検診の結果で決めます
仕上げ磨きをやめるタイミングは、本人の磨き残しが少なくなっているかと、歯科の検診でむし歯がないかの2つを見て決めます。歯と歯の間や奥歯の溝のむし歯はご家庭の点検では見落としやすいので、検診の結果もあわせて判断します。市販の染め出し液を使うと磨き残しが赤く色づくので、本人も自分の苦手な場所を意識しやすくなり、卒業が近いかどうかの目安にもなります。
卒業の前にチェックしたいこと
- 鏡を見ながら、奥歯の裏側まで歯ブラシを当てている
- 歯と歯の間に、自分でデンタルフロスを通せる
- 声をかけなくても、夜の歯みがきが毎日の習慣になっている
- 点検しても、汚れが残っている所が少ない
- 歯科の定期検診で、新しいむし歯を指摘されていない
当てはまらない項目があるうちは、下のステップ1か2で仕上げか点検を続けます。ステップ3まで進んで、全部に当てはまる状態がしばらく続いたら、仕上げ磨きを卒業して完全に本人に任せます。
卒業までの3つの段階
毎晩の仕上げ磨きはある日いきなりやめずに、次の3つの段階で少しずつ本人に任せていくと、ひとりで磨くようになってからも磨き方が崩れにくくなります。
- ステップ1:本人が先に磨き、保護者は奥歯と歯と歯の間だけを仕上げ磨きする
- ステップ2:本人が磨いたあと、保護者が明るい所で点検し、残っている所を本人に磨き直してもらう
- ステップ3:磨き方が安定してきたら点検を週に数回に減らし、歯科の定期検診で磨き残しを見てもらう
途中で磨き残しが増えたら一つ前のステップに戻せばよく、生えかわりが進んだ時期や矯正の装置をつけはじめたときは磨きにくさが変わるので、点検の回数を増やします。行ったり来たりしながら進むのがふつうなので、うまくいかない週があっても気にしすぎないでください。
小学生の仕上げ磨きのやり方とコツ
小学生の仕上げ磨きは、本人が磨いたあとに、磨き残しやすい所だけを保護者が順番に磨いていきます。毎回全部を磨き直すと時間がかかり、自分でやりたい気持ちが強い子ほど嫌がりやすくなるので、磨く場所をしぼって短く終えるほうが長く続きます。磨く順番を毎回同じにしておくと、磨き忘れが減ります。
姿勢と明るさ
低学年のうちは、保護者がすわってお子さんの頭をひざにのせ、寝かせた姿勢で磨くのがおすすめです。上からお口の中をのぞけるので、奥歯の裏側まで見えやすくなります。背が伸びて寝かせるのが難しくなったら、お子さんを立たせて保護者が後ろに回り、少し上を向いてもらう姿勢に変え、洗面所の照明だけでは奥が暗いときは明るい部屋で磨くと見落としが減ります。

磨き残しやすい場所と当て方
小学生のお口では、汚れが残りやすい場所がだいたい決まっています。次の場所を仕上げの順番に組み込んでおくと、短い時間でも磨き残しを減らせます。
- 6歳臼歯や12歳臼歯のかむ面の溝
- 生えかけの永久歯と、抜けかけの乳歯のまわり
- 前歯の裏側と、歯と歯ぐき(歯肉)の境目
- 歯と歯の間や、歯並びが重なっている所
- 矯正の装置をつけている子は、装置と歯の境目
歯ブラシはえんぴつを持つように軽く握り、強い力で大きく動かさずに、毛先を当てて小刻みに動かすのが基本です。歯と歯の間の汚れは歯ブラシだけでは落ちにくいので、仕上げのときにデンタルフロスを通して、溝と歯の間をそれぞれの道具で分けて落とします。
歯磨き粉の量と歯ブラシの交換
6歳を過ぎたら、歯磨き粉は大人と同じ高い濃度のものに替えて、歯ブラシ全体(1.5〜2cmほど)につけます。濃度は子ども用かどうかでは決まらず商品ごとに異なるため、買うときは箱やチューブに書かれたppmの数字を確かめます。フッ素入りの歯磨き粉は毎日続けて使うと、むし歯を防ぐ効果が高まります。仕上げのあとはうがいを少しの水で1回にとどめ、1〜2時間は飲食を控えると、口の中にフッ素が長くとどまります。
歯ブラシは毛先が開くと汚れが落ちにくくなるので、1か月に1本を目安に交換します。仕上げ磨き用の歯ブラシを本人のものとは別に用意しておくと、保護者が持ちやすい柄の長さや毛のかたさを選べて使いやすくなります。歯ブラシを後ろから見て、毛先が外側にはみ出していたら交換の時期と考えてください。
嫌がるときは短い時間で終えます
仕上げ磨きを嫌がるときは、時間を短くして、どこを磨くかを先に本人と決めてから始めると続けやすくなります。小学生になると、自分でできるのに手を出されることや、友だちに知られることを恥ずかしがる子もいます。痛がる原因は、保護者の力が強すぎるか、毛先が歯ぐきに当たっていることが多いので、力を抜いて歯ブラシを小さく動かすだけで嫌がらなくなる子もいます。ご家庭でできる工夫には、次のようなものがあります。
- 「今日は奥歯だけ」のように保護者が磨く場所を決めて、1〜2分の短時間で終える
- 「なんで磨くの」と聞かれたら、鏡で残っている汚れを見せて、本人が理解できる言葉で説明する
- 歯ブラシや歯磨き粉は、好きなキャラクターやお気に入りの味を本人に選んでもらう
- 低学年のうちは、砂時計やタイマーを使って遊びの感覚で時間を区切る
- 磨けていた所を先にほめてから、残っている所を親子で鏡を見て探す
押さえつけて磨くと、歯みがきそのものが嫌いになりやすくなります。嫌がる日は無理に続けずに短く終え、次の日はその日に磨けなかった所から始めてください。どうしても続かないときは受診の際にご相談ください。歯科衛生士がふだんの磨き方を見て、どこに汚れが残っているかをお伝えします。
卒業後も定期検診で磨き残しを見ます
仕上げ磨きを卒業したあとも、歯科の定期検診で磨き残しやむし歯がないかを見てもらってください。中学生になると部活動や塾で忙しくなり、歯みがきの時間が短くなりがちなので、本人に任せたあとも、毎日のケアがおろそかになっていないか、ときどき声をかけて歯ブラシの毛先の開き具合や磨く時間を気にかけてあげてください。学校の健診の用紙で異常がなかった年も、永久歯の健康を守るために、かかりつけの歯科医院での検診は休まずに続けることをおすすめします。
当院では6歳以降も歯科衛生士がブラッシング指導を行っていて、力まかせの磨き方になっていないかや、磨き残しの場所を一緒に確かめています。保護者の方が毎晩点検しなくなったあとも、本人が自分の磨き方を見直す機会になります。仕上げ磨きのやり方は保護者の方にもお伝えしているので、疑問があれば受診のときにお尋ねください。
当院では、将来にわたって使う永久歯を生えたばかりのうちからむし歯に強くするために、小学生にもフッ素塗布を続けています。フッ素塗布は保険で受けられますが、対象になるかはお口の状態によって変わるので、受診のときにお尋ねください。6歳臼歯のかむ面の溝を前もって埋めておくシーラントも行っているので、溝が深くて磨きにくい奥歯があるときは、検診のときにご相談ください。フッ素入りの歯磨き粉の年齢ごとの量は、子どものフッ素は何歳から?歯が生えたら始める歯磨き粉と塗布の目安でご紹介しています。
よくあるご質問
電動歯ブラシを使っていれば、仕上げ磨きはしなくてもいいですか
電動歯ブラシを使用していても、毛先が当たっていない所の汚れは落ちないので、点検や仕上げ磨きは続けてください。日本小児歯科学会も、電動歯ブラシだけに頼らず、手で使う歯ブラシも使えるようにすることをすすめています。
仕上げ磨きをしているのに、むし歯ができたのはなぜですか
歯と歯の間や6歳臼歯の溝は、歯ブラシだけでは汚れを取りきれないことがあります。また、甘い飲み物やお菓子を好きな時間に少しずつとる習慣があると、毎晩磨いていてもむし歯ができやすくなります。歯と歯の間にはデンタルフロスを足し、おやつは時間を決めて食べるようにしてください。
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