3〜6歳の口ポカンの原因と、家でできること

平日 9:00-12:30/14:00-17:30土曜 9:00-17:00 休診:日曜・祝日

3〜6歳の口ポカンの原因と、家でできること

お口のサイン2026年9月21日

園に通う年齢になると、ほかのお子さんと並んだときや、あとで写真を見返したときに、お子さんの口がぽかんと開いているのが目につきやすくなります。園の先生から言われて、はじめて知ることもあります。

唇や舌の筋肉の力が弱かったり、鼻がつまっていたりすると、口は閉じにくくなります。当院では口ポカンをお口の機能の問題として診ていて、なぜ閉じにくくなっているのかを最初に確かめます。

3〜6歳のお子さんなら、椅子の高さや献立の見直しなど、家で始められることがいくつかあります。検査の結果によっては、保険でトレーニングを進める場合もあります。

口が閉じにくくなるおもな原因

口が開いたままになっている子どもの横顔のイラスト
くちびるが閉じていないと、上の前歯が乾きやすくなります。※イラスト(イメージ)です。実際の患者さんではありません。

人はもともと鼻で息をしていて、口は閉じているのがふつうの状態だといわれています。口が開いたままの時間が長いお子さんは、そのぶん口で息をしている時間も長くなります。

「お口、開いてるよ」と声をかけると、その場では閉じても、しばらくするとまた開いていることが多いと思います。何度言っても続かないときは、口を閉じにくくしている原因がほかにあると考えて、診療では次の3つに分けて見ていきます。

1.唇と舌の筋肉の力がまだ弱い

唇を閉じたままでいるには、口のまわりをぐるりと囲む口輪筋という筋肉の力が要ります。この力と、舌が上あごを押し上げる力がつり合っていると、口は楽に閉じていられます。

やわらかいものが中心の食事が続いたり、あまり噛まずに飲み込む食べ方がくせになっていたりすると、こうした力がつきにくくなります。

2.鼻がつまっていて口を閉じると苦しい

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎があったり、アデノイドや扁桃が大きかったりすると、鼻の通りが悪くなり、口を閉じていること自体が苦しくなります。そういうときに「口を閉じて」と言われても、お子さんにはなかなかできません。

鼻の通りの問題は歯科だけでは解決できないので、耳鼻咽喉科でも診てもらう必要があります。当院でも、お口を見て鼻の通りが疑わしいときは、先に耳鼻科の受診をおすすめすることがあります。季節によって症状が変わるお子さんも多いので、いつごろから口が開きやすいかを覚えておいていただけると助かります。

3.姿勢が崩れてあごが上がっている

猫背になっていたり、足が床につかない椅子に座っていたりすると、頭が前に出てあごが上がり、それだけで口が開きやすくなります。試しに、あごを少し上げたまま唇を閉じ続けてみると、すぐに口のまわりが疲れてくるのが分かると思います。

食事のときの椅子の高さを変えただけで、口の開き方が変わるお子さんもいます。椅子の合わせ方は、このあと詳しくご説明します。

口ポカンに気づいたら見ておきたいこと

  • テレビやタブレットを見ているときに口が開いている
  • 口を開けて寝ていたり、いびきをかいたりする
  • 朝起きたときに、のどが渇いたと言う
  • 季節に関係なく、くちびるが乾いて荒れている
  • 食べるときにくちゃくちゃと音がする
  • 食べものをこぼしたり、飲み込むまでに時間がかかったりする

3つ以上あてはまるときは、一度ご相談ください。1つしかあてはまらなくても、心配でしたら遠慮なくお声がけください。

3〜6歳の口の使い方とあごの成長

乳歯が生えそろうと食事の内容が大人に近づいてくるので、唇や舌の使い方の違いがはっきり出てきます。

3〜6歳は、口のまわりの筋肉もあごの骨もまだ成長している途中で、この時期の口の使い方は、あごの成長にも関わることがあるといわれています。

口ポカンに気づいたときに一度お口を見せていただければ、いまの状態に合わせて、家でできることをお伝えします。

歯科で診てもらう子どもと、手を握って付き添う保護者
はじめてのときは、お話をうかがうところから始めます。※写真はイメージです。

口が開いたままだと起こりやすいこと

口が開いたままの状態が長く続くと、次のようなことが起こりやすくなります。必ずそうなるわけではありませんが、どれも口が開いていることと関わりのある変化です。

起こりやすいことなぜそうなるのか
前歯が前に出る・すき間があく舌を前に押し出す飲み込み方になり、その力で前歯が押されることがあるため
上あごの幅が狭くなる舌の位置が下がり、上あごを広げる力が働かなくなるため
むし歯・歯肉炎が増える口の中が乾いて、唾液による自浄作用が落ちるため
かぜをひきやすくなる鼻を通らない空気が、加湿もろ過もされずにのどへ届くため
寝つきが悪い・日中ぼんやりする睡眠中の呼吸が浅くなり、眠りが分断されることがあるため
口を閉じているときと開いているときの比較イラスト
口を閉じているとき、舌は上あごに触れています。※イラスト(イメージ)です。

表のように、口が開いていることは歯ならびのほかに体の調子にも関わってくるので、当院では0歳のお子さんを診るときにも、口の閉じ方を見ています。

3〜6歳のうちに家で始めておきたいこと

1.食事の椅子を足が床か台につく高さにする

椅子の高さは、3つのなかでいちばん手をつけやすいところです。足がぶらぶらしたままだと体幹が安定せず、あごが上がりやすくなります。足が床につかないときは足置きを用意して、座ったときにひざと足のつけ根がどちらもほぼ直角に曲がる高さに合わせてください。足置きは、家にある空き箱などで作れます。

2.噛まないと飲み込めないおかずを一品足す

「よく噛んで食べなさい」と毎回声をかけるのは、なかなか続きません。噛まないと飲み込めないものを、献立に一品入れてみてください。たとえば、根菜を大きめに切ったり、りんごをすりおろさずにくし切りで出したりします。乾物やきのこを混ぜるのもよい方法です。こうしたものが一品あると、その食事で噛む回数が増えます。

食事をしている子どもの手元
食事のときは、噛んでから飲み込んでいるかを見てあげてください。※写真はイメージです。

3.歯みがきのあとに「あいうべ体操」をする

「あー」「いー」「うー」「べー」と、口と舌を大きく動かす体操です。1日30回が目安とされていますが、はじめは10回でかまいません。習慣にするには、毎日していることのあとにくっつけるのがやりやすいと思います。歯みがきのあとやお風呂の時間など、やるタイミングを決めておいてください。

4つの動きのやり方と、毎食後10回・1日30回という回数の目安は、あいうべ体操のやり方と回数で詳しくご説明しています。

あいうべ体操を続けるコツ

  • 大人も横で同じように口を動かしてみせると、お子さんも続けやすくなります
  • できた日にシールを貼る紙を用意して、目につくところに置いておきます
  • やらなかった日があっても責めずに、3日ほど空いたときも、気づいた日からまた始めてください

変化が見えてくるまでには、早くても数か月かかります。すぐに口が閉じるようにならなくても、そのまま続けてみてください。

当院で診ることと保険が使える場合

はじめてお越しいただいた日は、診察台に座っていただく前に、ふだんの食事にどのくらい時間がかかるかや、寝ているときの様子をうかがいます。鼻がよくつまるかどうかもお聞きします。お口の中を見るだけでは分からないことが多いので、先にお話をうかがうようにしています。

寝ている間の歯ぎしりが気になるときの見守り方と受診の目安は、子どもの歯ぎしりの記事も参考にしてください。

そのうえで、くちびるを閉じる力と、何もしていないときの舌の位置を確かめ、飲み込み方や姿勢も診ます。必要に応じてお口の写真を撮り、どこがどうなっているかを画面でご覧いただきながらご説明します。

検査でいくつかの項目があてはまるときは、口腔機能発達不全症と診断されることがあります。18歳未満のお子さんであれば、保険で診ていくことができます。通院は月に1回ほどで、毎回お口の様子を見ながら、トレーニング(MFT)のやり方を確かめます。家での声のかけ方も、そのときにお伝えします。

診断の条件や保険と自費の分かれ目、釧路市の子ども医療費助成については、お口ポカンの保険適用は診断が条件|口腔機能発達不全症の基準と費用も参考にしてください。

お子さんの状態によっては保険の対象とならないことがあり、その場合も検査のうえでご説明します。鼻の通りに原因がありそうなときは、耳鼻咽喉科と並行して進めます。

よくあるご質問

何歳から相談できますか

何歳からでもご相談いただけます。3〜6歳のうちに一度見ておくと、家でできることを早めにお伝えできますが、小学生になってから来ていただくこともできます。小学生のお口ポカンについては、こちらの記事でご説明しています。

そのうち自然に閉じるようになりますか

鼻の通りが一時的に悪かっただけなら、鼻がよくなると自然に閉じるようになることがあります。一方で、筋肉の使い方が習慣になっている場合は、時間がたつだけでは変わりにくいことが多いです。どちらにあたるかは、お口を診てみないと分かりません。

矯正をすることになりますか

口ポカンがあっても、最初は唇や舌の使い方の練習から始めます。あごの成長に合わせて歯ならびを整えたほうがよいと判断したときに、はじめて矯正装置のお話をします。小児矯正については、こちらのページをご覧ください。

費用はどのくらいかかりますか

口腔機能発達不全症として診ていく場合は保険が使えます。窓口でのお支払いは、その日の検査や処置の内容によって変わります。釧路市にお住まいの場合は、0歳から18歳到達年度末までのお子さんが子ども医療費助成の対象で、所得制限はなく、保険診療の範囲であれば自己負担もありません。詳しいことは受付でお尋ねください。

あわせて読みたい

この記事の作成 オーク歯科クリニック 医療法人社団愛北 オーク歯科クリニック(北海道釧路市・イオンモール釧路昭和店1F)

院長 柏尾達也(1994年 北海道医療大学歯学部卒業。旭川医科大学附属病院 口腔外科をへて、2000年にイオン釧路昭和SC内で開業)のもとで、0歳から中学生の年代まで、お子さんのお口の育ちを中心に診ています。Neo-Cap System 認定医院(同システムによる認定であり、行政機関の許認可ではありません)。矯正に関するご相談は延べ500名以上(2018年9月〜2023年8月時点)。院長紹介を見る ›

口ポカンのご相談をお受けしています

治療をするかどうかは、お話をうかがってから決めます。

このページは、お子さんのお口の育ちについて一般的な情報をご紹介するものです。お口の状態や育ちには個人差があり、書かれていることがすべてのお子さんに当てはまるわけではありません。掲載している写真・イラストはイメージで、実際の患者さんではありません。気になる点がありましたら、歯科医師にご相談ください。
医療法人社団愛北 オーク歯科クリニック(北海道釧路市昭和中央4丁目18-1 イオンモール釧路昭和店1F)

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール