小学生のお口ポカンを直す練習と、歯科での検査
学校の歯科健診で口が開いていることを指摘されたり、授業参観でほかの子と並んでいるのを見て気づいたりして、小学生になってから口ポカンが気になりはじめたという方は多いです。
小学生になると、なぜ口を閉じておいたほうがいいのかを本人が理解して、自分で練習できるようになります。大人に言われなくても続けられるので、小さいお子さんよりも変わりやすい時期です。
ただ、永久歯が生えそろっていく時期でもあるので、様子を見ているあいだに、選べる方法が少しずつ減っていくことも知っておいてください。
小学生の6年間とあごの成長
小学生の6年間は、乳歯が永久歯に入れかわっていく時期で、あごも背もまだ伸びています。体がまだ育っている最中なので、大人と違って、ふだんの口の使い方があごや歯ならびの育ち方にも影響します。
生えかわりの時期は奥歯や生えかけの歯に磨き残しも増えやすいので、家での歯みがきは仕上げ磨きはいつまで続ける?小学生の磨き残しとやめどきの目安で確かめてみてください。
その一方で、この時期を過ぎるとあごの成長は落ち着いてきて、成長を利用して歯ならびを整える方法は使えなくなります。「そのうち治るだろう」と様子を見る場合も、何を待っているのかをはっきりさせておかないと、待っているうちに成長を利用できる時期が過ぎてしまいます。

小学生の口が閉じにくくなる理由
「閉じなさい」と言い続けても口が開いてしまうときは、たいてい本人の気持ちとは別のところに、閉じにくい理由があります。大きく分けると次の3つです。
鼻の通りが悪い
アレルギー性鼻炎があったり、アデノイドや扁桃が大きかったりして鼻の通りが悪いと、口を閉じていること自体が苦しくなります。小学生では花粉やハウスダストの影響が出ている子も多く、季節によって口の開き方が変わることもあります。鼻のことは歯科だけでは解決できないので、耳鼻咽喉科にも診てもらいながら進めていきます。
唇と舌の力が足りていない
唇を閉じたままでいるのにも、筋肉の力が要ります。やわらかいものばかり食べていたり、よく噛まずに早食いで飲み込んだりする習慣が続くと、その力が育ちにくくなります。小学生になると給食の時間が短いので、急いで飲み込む癖がついてしまうこともあります。
前歯が出ていて唇が届きにくい
前歯の位置など歯ならびの形のために、唇が物理的に閉じにくくなっていることもあります。この場合は練習だけではなかなか変わらないので、あごの成長に合わせて歯ならびを整えていくことを考えます。
本人が納得できる伝え方
小学生の場合は、本人が納得しているかどうかで、そのあと練習が続くかどうかが大きく変わります。当院では、お口の中の写真を撮って見てもらいながら、いま口の中で何が起きているのかを、小学生にも分かる言葉で説明します。たとえば、口が開いていると歯の表面が乾いて色が違って見えることや、寝ているあいだに口で息をしていると朝のどが渇きやすいことなどです。
寝ている間の歯ぎしりや、歯のすり減りで受診を考えたいサインは、子どもの歯ぎしりの記事も参考にしてください。
おうちで声をかけるときも、見た目のことは言わないようにしてください。「変だよ」「だらしなく見えるよ」と言われると、この年ごろの子は、口のことを話題にされること自体を嫌がるようになりがちです。のどや鼻のことなど、体の話として伝えたほうが練習も続きやすくなります。

小学生が自分でできる口の練習
練習の内容は小さいお子さんとほとんど同じですが、小学生はやる時間を本人が決めて、自分で進めることができます。
あいうべ体操の動かし方と、あごが痛むときの休み方は、あいうべ体操のやり方と回数も参考にしてください。
| 練習 | やり方 | いつやるか |
|---|---|---|
| あいうべ体操 | 「あー」「いー」「うー」「べー」と口を大きく動かします。1日30回が目安です。 | 歯みがきのあと |
| ボタン引き | 糸を通したボタンを唇ではさみ、糸を自分で軽く引っぱって、ボタンが抜けないようにこらえます。10秒を5回くり返します。 | お風呂のなか |
| スポット保持 | 上の前歯のすこし後ろに舌先をつけて、そのまま保ちます。 | 宿題をしているあいだ |
| よく噛む | 噛まないと飲み込めないものを、食卓に一品足します。 | 毎日の食事 |
練習を続けるための工夫
- やる時間が決まっていないと続きにくいので、時間を先に決めておきます
- やった日はカレンダーに印をつけて、自分で数えられるようにします
- おうちの方が毎日確認すると「やらされるもの」になりやすいので、確認は控えめにしてください
- 1週間まるごと空いてしまっても、また始めれば元のペースに戻れます
早い子でも、目に見えて変わってくるまでに数か月はかかります。すぐに口が閉じるようにならなくても、そのまま続けてください。
口の働きの検査と保険での通院
はじめて来ていただいたときは、食事にかかる時間や、寝ているときの様子をうかがいます。鼻のつまり方と、体育や習いごとのときの姿勢についてもお聞きします。そのうえで、唇を閉じる力と、何もしていないときの舌の位置を診て、飲み込み方やかみ合わせも確かめます。
当てはまる項目がいくつか重なっているときは、口腔機能発達不全症と診断されることがあります。18歳未満のお子さんが対象で、保険の範囲で診ていくことができます。月に1回ほどのペースでお口の様子を見ながら、トレーニング(MFT)のやり方を確認していきます。
診断の条件や保険と自費の分かれ目、釧路市の子ども医療費助成については、お口ポカンの保険適用は診断が条件|口腔機能発達不全症の基準と費用も参考にしてください。
お子さんの状態によっては保険の対象とならないことがあります。検査のうえでご説明しますので、まずご相談ください。
口ポカンで矯正を考える場合
口ポカンがあっても、当院では矯正より先に、唇や舌の使い方の練習から取りかかります。
そのうえで、前歯の位置や上あごの幅のせいで唇が届きにくい場合は、あごが成長する力を利用して歯ならびを整える矯正を検討します。あごの成長を利用する方法は、成長が続いているうちに検討します。どうするかは検査をしてから決めますので、いまの段階であまり心配しすぎないでください。
よくあるご質問
高学年になってからでも間に合いますか
唇や舌の練習で筋肉の使い方を変えることは、何歳からでもできます。あごの成長を利用する方法が使えるかどうかは、成長がどのくらい残っているかによって変わるので、一度検査を受けていただくと分かります。
学校の歯科健診で指摘されました。急いだほうがいいですか
今日明日に急ぐ必要はありませんが、なるべく早めに一度診せてください。学校の健診は一人あたりの時間が短いので、そこで指摘されたのであれば、ひと目で分かるくらいに口が開いていると考えられます。診せていただければ、急いだほうがいいかどうかをご説明します。
本人が嫌がって、歯医者に行きたがりません
治療をするかどうかは、お話をうかがってから決めますし、はじめての日は診察台に座らなくてもかまいません。本人には「見てもらうだけ」と伝えて、そのつもりで来ていただければと思います。
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治療をするかどうかは、お話をうかがってから決めます。本人が嫌がるときは、見てもらうだけのつもりでお越しください。
このページは、お子さんのお口の育ちについて一般的な情報をご紹介するものです。お口の状態や育ちには個人差があり、書かれていることがすべてのお子さんに当てはまるわけではありません。掲載している写真・イラストはイメージで、実際の患者さんではありません。気になる点がありましたら、歯科医師にご相談ください。
医療法人社団愛北 オーク歯科クリニック(北海道釧路市昭和中央4丁目18-1 イオンモール釧路昭和店1F)


